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鉄元堂と思われる短刀用目貫です。非常に出来がよく、抑え部に詩巻（詩歌を綴った細い巻物）と箒をそれぞれ配し、小さな画題ながら寒山と拾得の存在感を高めています。
裏行を見る限り、元は出目貫として使っていた物を、柄巻に変更する際に裏板と根を取り付けた所作が見られます。鉄の時代が異なり、元は江戸中期くら後期 裏金が明治ごろでは無いかと思われます。
寒山
全長約23.9ミリ×16.7ミリ
拾得
全長約32.4ミリ×16.3ミリ
寒山と拾得は、天台山国清寺に住み、豊干（ぶかん）禅師に師事したといわれる唐代の伝説上の人物。寒山拾得の絵は、宋代以降、禅僧たちの間で好まれた。「禅機図」とは、禅宗にかかわる逸話を主題としたもの。
本図は、豊干禅師はいずこに、と尋ねられて無言のまま答えず、大笑する寒山と拾得を描く。
その飄逸（ひょういつ）な姿を組み合わせて、中国や日本の禅宗寺院に所属する画僧がしばしば絵に描いている。 ふつう寒山は巻物を手にし、拾得は箒を持つ姿で描かれる。
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